フランス・モーゼル地方出身のガラス工芸一家。
9人の息子と1人の娘の10人兄弟を総称して「ミューラー兄弟」と呼ばれる。
ガラス工芸の家に生まれた彼らであったが、普仏戦争の影響で疎開。
その後、兄弟のうち5人がエミール・ガレの工房で働きながら技術を習得。
その経験が、後の兄弟全員が参加した『リュネヴィル工房』開設に繋がった。
■カメオ・グラスとミューラー兄弟
彼らの作品の多くは、あるガラスに別の色のガラスを被せた所謂『被せガラス』に、
レリーフ状の様々な文様を刻み出した『カメオ・グラス』であった。
そこには当時、カメオ彫りの豊かな色調の変化を用いて、
植物や昆虫などモチーフとしてあしらったカメオグラスを多く制作し、成功していた「ガレ」からの影響が多く見られる。
1885年 兄弟のデジレとウジェーヌがエミール・ガレの工場に入る
他の兄弟もそれぞれガラス職人の研鑚を積む
その後アンリ、ピエール、ヴィクトールが兄に続きガレの工場に参加
1895年 アンリが独立、リュネヴィルに工房を開設、兄弟全員が参加してガラス生産開始
1906年 デジレとアンリがベルギー最大のガラス工場「ヴァンサンランベール」に招かれデザインを担当
1919年 リュネヴィルに戻り、クロワマールの工場を買収。
同工房は、アールデコ期を経て、1936年まで制作を続けた。
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