フランス出身の芸術家。
そもそもはカルティエ・ブシュロン・ティファニーといった有名宝飾店のデザインを手がける、
売れっ子の宝飾デザイナーとして活躍していた。
そんな彼であったが、1910年頃香水商フランソワ・コティーと出会ったことから
香水瓶の製作を始め、それをきっかけにガラス工芸に転向した。
やがてアールデコの時代を迎え、本格的に自分の工房を持ちガラス器の生産を始めたのは50歳を過ぎてからであった。
その生涯で残した作品は香水瓶を始め花器や食器、
さらには豪華客船や旅客列車の内装デザインなど、多岐にわたる。
技法的には、鋳鉄製の型を使った型吹き成形およびプレス成形によるものが多かったため、
機械化による大量生産にも対応していたのが特長といえる。
ラリックのガラスで特徴的な乳白色で半透明のガラスを『オパルセント・グラス』という。
これはガラスに石灰やフッ素などを加え、その色を淡い半濁状態にしたものである。
また、光の当たり方によって大きく印象を変えるのもラリック作品の特徴であり、
ラリックを多く扱う各美術館ではその展示にも工夫を凝らしているので、是非一度来訪を薦める。
1860年 フランス生まれ
1876年 パリの装飾美術学校入学 宝飾工芸家ルイ・オーコックに師事
1885年 パリのヴァンドーム広場にアトリエを構える
1897年 レジオン・ド=ヌール勲章受章
1900年 パリ万国博覧会出品
1908年 本格的にガラス工芸品の生産を開始
1925年 パリ現代装飾美術・産業美術展出品 アール・デコ様式の代表的作家となる
1945年 死去
彼の作品を専門に扱う美術館
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オラン花器 |
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香水瓶 『バッカス神の巫女』 |